ハワイ出産について
What is “Hawaii Birth”?
ハワイ出産とは、アメリカ・ハワイ州で赤ちゃんを出産することを指します。
現地在住の方が出産されるケースはもちろん、米国本土や海外から渡航し、数ヶ月の短期滞在中にハワイで出産をするご家族も多くいらっしゃいます。
言語の壁や医療制度の違いに不安を感じる方も少なくありませんが、正しい情報と十分な準備があれば、安心して出産を迎えることができます。
このページでは、ハワイ出産の基礎知識から、費用、滞在計画、必要な手続きまで、初めての方にもわかりやすく解説します。

Why Hawaii?
なぜハワイで出産を選ぶ人が多いの?
出産の地にハワイが選ばれる理由には、以下のようなメリットがあります
- アメリカ国籍が取得できる:ハワイで生まれた赤ちゃんは日米両国の国籍を取得でき、将来の進学や就労などの選択肢が広がります
- 自然が美しく気候も穏やか:一年中温暖で過ごしやすく、リラックスした環境で出産に臨めます
- 医療レベルが高い:ハワイの病院は先進的な医療設備が整っており、無痛分娩の実績も多いです
- 日本からのアクセスが良い:日本から直行便で約7時間と、渡航の負担が比較的少なく済みます
- 治安が良い:ハワイは、アメリカ本土に比べると犯罪率が低く、安心して滞在できます
- 観光や買い物も楽しめる:アラモアナセンターなどのショッピング施設や、観光地が充実しています
- 日本語サポートがある:日本語対応の医療機関やサポートサービスが多く、言語面の不安が少ないです
Cost
ハワイ出産にかかる費用
ハワイ出産の総費用は?
2025年現在、ハワイ出産の総費用は一般的に400〜600万円程度が目安です。なお、以下のような要因で変動しますのでご注意ください。
- 為替レートの変動
- 出産方法(自然分娩か帝王切開か)
- 追加入院(一泊あたり約100万円)
- 選択するサポートサービスの内容
- 滞在先の種類と立地
- 滞在期間の長さ

予期せぬ事態に備え、予定した予算に加えて予備費を確保しておくことをお勧めします。
費用の内訳
費用項目 | 金額目安(2025年現在) | 備考 |
---|---|---|
医療費 | 300万円 | 自然分娩の場合。帝王切開はさらに高額 |
滞在費 | 100〜500万円 | 滞在期間・施設によって変動 |
渡航費 | 20〜100万円 | 時期・クラスによって変動 |
生活費 | 50〜100万円 | 食費、交通費、買い物など |
エージェント費用 | 30〜200万円 | 選択するサポートプランによる |
書類・手続き費 | 10〜20万円 | パスポート申請費、証明書取得など |
費用削減のポイント
ハワイ出産では、滞在費・医療費・生活費など多くの出費がかかりますが、以下のように工夫すると全体のコストを抑えることができます。
- 出産育児一時金の活用
-
日本の健康保険に加入している方は、海外出産でも出産育児一時金(約50万円)を申請・受給できます。
- 長期滞在型コンドミニアムを活用
-
ホテルよりも割安で、1LDKなど広めの間取りが多く、キッチンや洗濯機も完備されているため、生活費を抑えやすくなります。
- 滞在期間を短縮する
-
無理のない範囲で滞在日数を調整することで、宿泊費・生活費の削減につながります。
- 自炊で食費を節約
-
キッチン付きのコンドミニアムなら、外食に頼らず自炊が可能。地元のスーパーでまとめ買いをするのも有効です。
- オフシーズンを選ぶ
-
観光客の少ない時期を選ぶと、航空券や宿泊費が安くなる傾向があります。
- 必要最小限のサポートプランを選択
-
BIHでは、ご希望に応じてサポート内容をカスタマイズできるため、不要なサービスを省き、予算に合わせたサポートが可能です。
Schedule
ハワイ出産の渡航・滞在スケジュール
ハワイ出産の渡航タイミングを決定する際のポイント
ハワイで出産する場合、一般的に2〜3ヶ月の滞在期間が必要となります。
そのため、母体への負担や必要な手続きのスケジュールを踏まえ、出発および帰国の時期は慎重に検討することが大切です。
【渡航時期の目安】出産予定日の4〜6週間前
- 到着が早すぎる場合
-
滞在期間が長くなることで費用の負担が増えるほか、出産後に必要な書類手続きの時間が十分に確保できないおそれがあります。
- 到着が遅すぎる場合
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妊娠後期での長時間のフライトは母体への負担が大きくなり、現地での健診や出産準備にかけられる時間も限られてしまいます。
- 航空会社の搭乗制限
-
多くの航空会社では妊娠32週以降の搭乗に制限や医師の診断書が求められる場合があるため、事前に各社の規定を確認しておく必要があります。
【出産後の滞在期間】3〜4週間が目安
- 赤ちゃんの出生証明書の取得、アメリカのパスポート申請、日本の出生届の提出など、必要な各種手続きに少なくとも3週間はかかります。
- また、小児科医は赤ちゃんの免疫機能の未熟さや健康への配慮を理由に、生後4〜6週間以降の飛行機利用を推奨しています。
ハワイ出産の滞在スケジュールの例
- 妊娠20週ごろ(出産予定日の約16〜20週前)
-
この時期から現地の産婦人科医との予約を開始し、ハワイでの滞在先も同時に手配し始める。
- 妊娠34〜36週(出産予定日の4〜6週間前)
-
いよいよハワイへ出発。現地到着後、すぐに医師との初診を受け、健康状態をチェックしてもらう。以降はハワイでの生活をスタートし、環境に慣れる期間となる。
- 妊娠37〜40週(出産予定日の直前まで)
-
現地で定期健診を受けながら、出産や育児に向けた準備を進める。病院で実施される出産準備クラスに参加したり、ベビー用品を揃えるなどして備える。
- 出産(妊娠37〜41週ごろ)
-
陣痛が始まったら病院に入院し、分娩に臨む。通常、出産後2〜3日間は病院に入院し、母子ともに経過観察を受ける。
- 産後0〜3日(入院中)
-
出産直後から、出生証明書やアメリカのソーシャルセキュリティーナンバー(SSN)の申請手続きを病院で開始する。
- 産後2週
-
出産から2週間経過時点で、乳児の2週間検診を受ける。母子の健康状態を確認し、必要に応じてアドバイスを受ける。
- 産後3〜4週
-
この時期に出生証明書が発行される。証明書取得後、米国パスポートの申請、日本領事館での出生届提出、帰国用渡航書の申請などを進める。
- 産後4週
-
乳児4週間健診および母親の産後健診を受ける。健康状態の最終チェックを行い、帰国の準備を整える。
- 産後3〜6週
-
書類手続きや体調が整い次第、帰国の手配を進める。通常、出産後約1〜1.5か月で日本へ帰国するケースが多い。
Medical System
ハワイの医療システム
ハワイ出産の入院〜退院の流れ
産婦人科医(OB-GYN)の選定
出産予定の病院と提携している産婦人科医を選び、妊娠中はその医師のもとで定期的に妊婦健診を受けます。
病院の事前登録(Pre-registration)
妊娠中期〜後期に、出産予定の病院に事前入院登録を行います。
出産当日の流れ
陣痛が始まったら病院へ連絡 → 病院へ移動 → 入院手続き → 分娩室(Labor & Delivery Unit)へ。
病院スタッフと担当の産婦人科医が立ち会いのもと、出産します。
出産後の流れ
出産後は産後病棟(Postpartum Unit)に移動し、回復と育児開始のための入院生活が始まります。このタイミングで看護師も産後病棟の担当に引き継がれ、引き続き母体と赤ちゃんのケアが行われます。
退院
母子の検査や退院手続きなどが全て終了次第、退院します。
退院時にはチャイルドシートを設置した車が必須になります。(看護師がその場で安全性のチェックをします。)
ハワイと日本の医療・出産スタイルの違い
項目 | ハワイ(アメリカ) | 日本 |
---|---|---|
保険制度 | ハワイ在住者以外は基本的に自費診療。海外旅行保険は通常分娩に適用されない。 | 費用は一部負担 or 出産一時金でカバーされることが多い。 |
妊婦健診 | エコー検査は健診時には行わない。 専門医による検査が妊娠中2〜3回程度。 | 健診は母子手帳と自治体の補助券を使用。多くの施設で毎回エコーを実施。 |
医療従事者 | 医師と患者の関係は対等で、患者の意思が重視される。 医療チームは役職が細かく分かれており、様々な専門スタッフが関与する。 | 医師が中心で、医療判断や説明も主に医師が行う。 看護師が幅広くケアを担うことが多い。 |
出産時の立ち会い | ハワイの多くの病院では、家族(大人2名まで)立ち会い可能。子ども不可。 | 家族の立ち会いも可能(病院による) |
分娩方法 | 無痛分娩が一般的。強力な鎮痛静脈注射(フェンタニルやモルヒネなど)の使用も多い。 | 自然分娩が多い。無痛分娩は一部の病院で選択可。 |
入院期間 | 自然分娩:1〜2日/帝王切開:3〜4日と短め。 | 自然分娩:約5日/帝王切開:約1週間 |
産後ケア | 入院中の育児指導は少ない。退院後の訪問・電話サポートが中心。 | 入院中に授乳・育児指導あり。 |
ハワイ・オアフ島の主な出産対応病院
ハワイで出産を予定している方は、自分が加入している医療保険や、希望する産婦人科医が勤務している病院をもとに、出産する病院を選び、事前に入院予約(pre-registration)をします。
病院によって設備や雰囲気、対応のスタイルも少しずつ異なるため、見学や情報収集をしておくと安心です。
以下は、オアフ島内で出産に対応している主な病院の一覧です。
- Kapiolani Medical Center for Women and Children(カピオラニ産婦人科病院)
- The Queen’s Medical Center(クイーンズメディカルセンター)
- Kaiser Permanente Moanalua Medical Center(カイザー・モアナルア病院)
- Tripler Army Medical Center(トリップラー陸軍病院)※軍関係者限定
- Wahiawa General Hospital(ワヒアワ総合病院)
- Adventist Health Castle(キャッスル病院)
入院中に関わる病院スタッフ

アメリカの病院では仕事が細分化され、それぞれの専門スタッフが役割分担しています。
いろんな人が入れ替わり立ち替わり病室に来るので、「誰が何をしに来たのか」あらかじめ知っておくと、戸惑わずにすみますよ。
ハワイの病院だと、分娩後1時間くらいで分娩病棟から産後病棟に移ることが多いです。
ここでは、病棟ごとのスタッフの役割について紹介します。
分娩病棟(Labor&Delivery)
- L&Dナース:陣痛中のモニタリング・処置・分娩準備まで一貫して担当する中心スタッフ。
- 産婦人科医(OB-GYN):分娩時や医療判断が必要なときに来室し、最終的な分娩を行う。
- 助産師(CNM):正常分娩を管理・娩出・会陰縫合まで担う看護助産師。
- 麻酔科医(Anesthesiologist):無痛分娩(硬膜外麻酔)を行い、効果や副作用を管理。
- 研修医・医学生:指導の下で診察・記録・処置補助を行う(施設により異なる)。
- 検査技師(Lab Tech):採血や検尿などの検査目的で短時間訪室。
産後病棟(Postpartum Unit)
- 清掃スタッフ(Housekeeping):室内の清掃・ゴミ回収・リネン交換を担当。
- 産後ナース:ママと赤ちゃんの健康観察・授乳サポート・投薬を行う中心スタッフ。
- 小児科医(Pediatrician):赤ちゃんの診察・黄疸・体重・退院判定を行う。
- 産婦人科医(OB-GYN):ママの子宮・会陰・術後状態の確認と退院判定を行う。
- 授乳コンサルタント(Lactation Consultant):授乳や乳頭トラブルの専門的支援を行う。
- 新生児室スタッフ(Nursery Staff):赤ちゃんのケアや検査を担当し、必要時に来室。
- CNA(看護助手):日常ケアやバイタル測定、移送、配膳を担当(産後も継続)。
- ソーシャルワーカー(Social Worker):家庭支援や退院後の相談を行う(必要時)。
- ケースマネージャー:保険・育児用品・訪問看護の手配や退院支援を行う。
- 事務スタッフ(Clerk):入退院の書類説明・IDバンド確認などを行う。
Documents
必要書類と手続き
渡航前に準備する書類
- パスポート(有効期限の確認)
- 母子手帳
- 戸籍謄本
出産後に取得する書類
- ハワイ州発行の出生証明書(Birth Certificate)
- 社会保障番号(SSN)
- アメリカパスポート
- 日本の出生届
- 日本への帰国のための渡航書
書類取得の流れと期限
出産直後
病院での出生証明書申請フォーム、SSN申請フォーム記入
出産後3週間
出生証明書、SSN取得
出産後3〜4週間
米国パスポート申請、日本国総領事館で出生届提出、渡航書申請
出産後4週間
米国パスポート、渡航書取得
※各手続きには必要書類が異なるため、事前に確認が必要です。また、手続きには予約が必要な場合もあります。
Considering a Hawaii Birth?
ハワイ出産を検討される方へ

ハワイ出産は、高水準の医療や自然豊かな環境の中で特別な時間を過ごせる、魅力的な選択肢です。
またアメリカ国籍の取得により、お子さまの将来の可能性が広がる点も大きなメリットです。
一方で、医療制度の違いや英語でのやり取り、出産後の書類取得など、ご自身での手配には負担やリスクも伴います。
限られた滞在期間中に必要な手続きを確実に進めるには、専門的なサポートがあると安心です。
BIHでは、健診予約や滞在先の手配、通訳、書類取得まで、ハワイ出産に必要な準備をトータルでサポートしています。
不安の多い海外出産だからこそ、現地に精通したサポートをぜひご活用ください。