妊娠中のママとお腹の中の赤ちゃんのためには健康的な食事がとても大切です。赤ちゃんの栄養になると思うと普段とっている食べ物にも気を遣いますよね。
「お酒と生ものはダメって聞くけど他にも知りたい!」
「妊娠中にとっておくべき栄養素は?」
「食べ過ぎちゃいけないものって?」
このような疑問があるママも多いのではないでしょうか。
この記事では、妊娠中の食事でとりたい栄養素やとりすぎに注意が必要な食べ物、また避けるべき食べ物など妊娠中の食事の注意点を紹介します。
ぜひこの記事を参考にして妊娠中の食事の基礎知識をつけておきましょう。
妊娠中の食事、いつから気をつけたらいい?

「妊娠がわかる前に食べていたものが赤ちゃんに影響したらどうしよう」と思うママもいるのではないでしょうか。しかし、つわりで思うように食事がとれないというママも、不安にならなくても大丈夫です。
ママが食べたものを通して赤ちゃんが栄養をもらい始めるのは、胎盤が完成する妊娠16週頃からです。妊娠初期の赤ちゃんは「胎児のためのお弁当箱」とも呼ばれる卵黄嚢という器官から栄養をもらって成長しています。
このような理由からつわりでも無理せず、食べられるものを食べられる時に少しずつ摂っていけば問題ありません。また、妊娠が判明する前にママが摂取した食べ物や飲み物が胎児に影響を及ぼすことはほぼありませんので、過度に心配する必要はないでしょう。
胎盤が完成する妊娠5ヶ月頃からは、ママが栄養バランスのとれた食事を心がけ赤ちゃんに栄養を届けてあげましょう。
妊娠中に積極的にとりたい栄養素とは?
葉酸
葉酸はビタミンB群の一種で、赤ちゃんの細胞分裂やDNAの形成を助けるなど赤ちゃんの正常な発育に欠かせない栄養素です。
妊娠前から十分に摂取することで先天性異常のひとつである神経管閉鎖障害の予防に効果があるとされています。
妊娠前は食事の中から1日240μg摂取することが推奨されていますが、妊娠中の場合は妊娠3ヶ月頃まで+400μg/日、つまり合計1日640μgの摂取が必要とされています。
葉酸は水溶性のビタミンであるため調理には注意が必要です。茹でると葉酸が溶け出して吸収率が下がってしまいます。そのため「蒸す」「炒める」などの調理法がオススメです。
葉酸を手軽に摂取できるサプリメントもあるので検討してみましょう。
【葉酸が多く含まれる食べ物】
ほうれん草、モロヘイヤ、アスパラガス、ブロッコリー、いちごなど
鉄分
妊娠中は胎盤と赤ちゃんに栄養を送るために多くの血液が必要です。血液量は妊娠後期には妊娠前と比べて約1000ml(妊娠前のなんと1.5倍にまで)も増加します。
鉄分は血液の材料となり、妊娠中の貧血予防などに役立ちます。
妊娠初期は9mg/日、妊娠中期以降は16mg/日の摂取が推奨されています。
鉄分はビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が上がり効果的です。鉄分の豊富な食べ物を積極的に食事にとりいれていきましょう。
【鉄分が多く含まれる食べ物】
赤身肉、大豆、小松菜、アサリ
カルシウム
カルシウムは赤ちゃんの健康な骨を作るのに欠かせない栄養素。赤ちゃんはママからの十分なカルシウムをもらうことが必要です。しかしカルシウムが足りない場合、ママの歯や骨から、赤ちゃんにカルシウムが送られてしまいます。その結果ママがカルシウム不足になり骨粗しょう症などの病気になるリスクが高まってしまいます。
推奨されるカルシウムの1日の摂取量は650mgですが、日本人は慢性的にカルシウムが不足しているとも言われています。妊娠前でも妊娠中でもカルシウムは積極的に食事にとり入れるようにしましょう。
【カルシウムが多く含まれる食べ物】
牛乳、干しエビ、ヨーグルト、豆腐、小松菜
妊娠中避けるべき食べ物

アルコールはNG! 禁酒しましょう
妊娠中にアルコールをとると、ママの胎盤を通してアルコールがお腹の赤ちゃんの血液に入り発達や成長に影響を与える可能性があります。妊娠判明後はアルコール度数や量にかかわらずきっぱり禁酒しましょう。
今はノンアルコールのビールやワインも種類がたくさんあります。どうしても飲みたい時はアルコールの入っていないものを利用し、ストレスにうまく対処していきましょう。
とりすぎに注意が必要な食べ物
カフェイン
カフェインはとりすぎると血管が収縮し、胎盤への血流が悪くなる恐れがあります。その結果、赤ちゃんへ酸素や栄養が届きにくくなる可能性があるとされています。
「カフェインはとってはいけない」というものではありませんが、量に注意が必要です。
妊婦さんの場合は1日200~300mg(コーヒー約2杯程度)までの摂取にとどめるようにしましょう。
コーヒーや紅茶だけでなく、栄養ドリンクやエナジードリンクには多くのカフェインが含有されています。食品表示をチェックするなど、とりすぎないようにしましょう。
水銀
魚は良質なタンパク質や、DHA、EPAなどを多く含んでおり、体に良い食べ物として知られています。しかし、妊娠中にキンメダイ、メカジキ、本マグロなどの大型の回遊魚を食べすぎると魚に含まれる水銀をとりすぎてしまい、赤ちゃんの中枢神経の発達に悪影響を及ぼす可能性があります。
かといって全ての魚を恐れる必要はありません。水銀は食物連鎖を通じて魚介類に蓄積されるので食物連鎖の上位の大型の魚に比較的多く蓄積している傾向があり、マグロ類、サメ、深海魚類、鯨やイルカなどがそれにあたります。これら水銀濃度が高い魚は週に1回以内、50〜100g以下にすることがおすすめされています。
特に注意が必要ではない種類の魚もありますので、チェックして魚の栄養を上手に取れるよう工夫しましょう。
【水銀が多く含まれる魚】
マグロ、サメ類、イルカ、キンメダイ、ムツなど
【特に注意が必要ではない魚】
いわし、ぶり、カツオ、タイ、サンマ、ツナ缶など
ヨウ素
昆布やワカメなどに含まれるヨウ素は過剰に摂取すると、胎児の甲状腺機能低下に繋がるおそれがあります。普通の量を食べるなら問題ありませんが、過剰な量の昆布を毎日食べるなど極端にヨウ素をとりすぎないように注意しましょう。
ヨウ素の妊娠中の推奨摂取量は240µg/日とされています。水に戻したワカメ10gにヨウ素190µgが含まれています。こちらを目安にしてとりすぎを防ぎましょう。
また、喉にスプレーする外用薬にもヨウ素が含まれているものがあるので注意してください。
【ヨウ素が多く含まれる食べ物】
昆布、塩昆布、昆布茶、おぼろ昆布など
リステリア菌

リステリア菌は加熱殺菌されていないチーズや生ハム、スモークサーモンなどに含まれている食中毒を引き起こす原因となる菌のことをいいます。
妊娠中に感染してリステリア感染症になると、胎盤を通して子宮感染を起こし早産や流産の原因になることがあります。また出生直後のトラブルに繋がるおそれもあるとされています。
リステリア菌は冷蔵していても増殖します。冷やしているからといって過信せず、生ものはひかえる、中心部までしっかり加熱して食べる、など注意して摂取しましょう。
【リステリア菌が多く含まれる食べ物】
非加熱のナチュラルチーズ(※プロセスチーズは加熱ずみなので食べてもOK)
カマンベールチーズ、ブルーチーズ、生ハム、肉や魚のパテなど
ヒ素
ひじきに含まれる無機ヒ素は、妊娠中のママが過剰に摂取した場合胎児の奇形や脳障害を引き起こす可能性があるとされています。
厚生労働省の調査では、毎日4.7g(乾燥時)以上もの大量のひじきを継続的に摂取しないかぎり問題ないと発表しています。食べる量は週に2回小鉢1杯程度にとどめておけば心配ありません。
【ヒ素が多く含まれる食べ物】
ひじき
ビタミンA
ビタミンAは目や皮膚、粘膜の健康維持などに欠かせない栄養素です。
しかし妊娠初期に多量に摂取すると赤ちゃんの奇形を発症する可能性があるとされています。厚生労働省は、妊娠期を含めて成人女性のビタミンAの耐容上限量を 2,700 µg RAE/日としていますが、妊娠中期までの1日の推奨量は650〜700 µg RAEです。
妊娠中はうなぎであれば1日40〜50g、豚レバーであれば1日4g程度にとどめ、毎日食べるのは控えましょう。
【ビタミンAが多く含まれる食べ物】
レバー、焼き鳥、アンコウの肝、うなぎ
まとめ
この記事では、妊娠中の食事でとりたい栄養素やとりすぎに注意が必要な食べ物、また避けるべき食べ物など妊娠中の食事の注意点を紹介しました。聞いたことがあるものや、少し意外な食べ物もあったのではないでしょうか。
妊娠中は何かと体に気を遣うことが多くて大変ですが、お腹の中で赤ちゃんがスクスク成長していけるようバランスよく栄養をとって、元気に出産の日まで過ごしてくださいね。